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中国の年度決算業務

中国の年度決算業務

■中国の決算期

「決算書がほしいのですが、中国ではいつ決算を行いますか」との質問をよく受けます。厳密に言いますと、中国には日本の決算書に当たるものはありませんが、年度決算業務はあります。決算期はどの企業も12月です。

■外資企業の年度決算業務

中国の外資企業には、下記の決算業務が義務付けられています。

年度決算業務

1. 年度会計諸表の作成

12月の月次財務諸表作成後、調整がある場合には反映の上、年度の財務諸表を作成します。

2. 年度会計監査

会計師事務所より監査報告書発行の必要があります。この監査報告書を日本の決算書に代わるものとして扱う企業も多いようですが、日本と中国では計上基準が違うので注意が必要です。また、日本では馴染みがありませんが、外貨の収支に対する外貨監査も同時に行う必要があります。

3. 法人税確定申告

法人税は四半期ごとに予定納税を行いますが、前年度の税額に基づく日本の予定納税とは異なります。確定申告では、損金算入に限度のある交際費など調整を行った上で、管轄の税務局に申告書を提出し、審査を受け、年度の課税所得額を確定します。予定納税との差額の補填納付、もしくは還付手続きを行います。上海では、例年3月に管轄税務局にて説明会が開催され、申告スケジュールを含めた注意事項の通知や申告書類の配布を行うことが多いようです。

4. 連合年度検査

工商局や税務局などの各政府部門に申請書類を提出し審査を受けます。上海では多くの区ですべての部門の手続きを一括して行える会場が設置されますが、指定期間を過ぎると各部門をすべて回らなくてはならなくなるので気をつける必要があります。

■準備はお早めに

年明けから手続きを開始し、一連の年度決算業務が終了するのは、上海の場合5~6月頃となりますので、ずいぶんと息の長い作業です。これらの業務をきちんと行わないと、場合によっては企業の存続に関わることもあります。事前に手続内容を確認するなど十分な準備の上、余裕を持って手続きを進められることをお薦めいたします。