発票って何ですか?
中国に進出したら必ず目にするのが「発票」です。
領収書とは違うのでしょうか?
《発票とは?》
中国では一元的税収管理を行うために発票制度を採用しています。
発票は商品の売買、サービスの提供・受取等の経営活動における料金収支証明となります。
経費認定や増値税申告のために重要なです。税務機関が発票の主管機関として発票の印刷、配布、発行、保管、返納の管理監督を行っており、商品の売買、サービスの提供・受取等の経営活動に従事する者は正規の発票を税務機関より入手しなければなりません。
《日本の領収書との違い》
発票は、一般的に「領収書」と翻訳されていますが、中国の発票と日本の領収書とは異なります。
領収書は文具店で購入できるのに対して発票は税務機関でしか入手できません。
日本でも、領収書は代金を受領した時に発行するもので費用計上の根拠にはなりますが、現金商売の場合を除き、一般的に売上や仕入などの計上を領収書を受領したタイミングで行うことはありません。
一方で発票は発行のタイミングについては特に決まりはないものの、原則として売上計上するためには発票を発行する必要があり、仕入及びその他費用については発票を入手しないと損金算入できないものとなっています。
《税務局による発票の管理方法》
「税務機関でのみ入手できる発票」
税務機関はどのように発票を管理しているのでしょうか?
上海の場合では、一般的に発票を発行するために税務機関から「カードリーダー」「発票作成機(プリンタ)」「発票」を購入します。
カードリーダーはオンラインで税務機関とつながっています。それで、税務機関は企業の発票発行状況を把握することができる仕組みとなっています。税務上売上を減らすために発票を発行せずに販売しようとしても、得意先では発票を入手しないと損金算入ができません。
《発票主義と発生主義》
以上のように、原則として売上計上には発票を発行しなければならない一方、発票発行のタイミングについては特に決まりはないため、出荷時や検収時等特定のタイミングで売上計上を行う日本の発生主義とは異なる財務諸表が作成されるケースが多くなっています。
会計上、中国でも発生主義を採用することはできますが、実務上は税務に引っ張られる形で発票主義による処理が優先されているケースが多いのが現状です。