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中国にも相続税!?

中国にも相続税!?

■中国の相続税

中国の富裕層の不安をかきたてている話題に相続税の導入があります。中国には相続税も贈与税もありません。ですから、親が子のために財産を残しても相続税の心配がありません。子供名義で不動産を買っても、贈与税は課税されません。財産は、金額の多寡に関係なく無税で子や孫に継承されることになっています。ところが、ここにきて「遺産税」という、いわゆる相続税が話題にあがってきています。

■遺産税

中国の遺産税は1950年に枠組みがつくられ、遺産税の導入準備を進めていましたが、条件が整わなかったため実地されませんでした。2001年全国人民代表大会でも決議されましたが適切な時期から遺産税を導入するに留まりました。2010年に改定された遺産税の草案では、課税対象となるのは相続財産の総額が80万元以上の相続人に対して、累進税率で課税されるものとなっています。

■日本の相続税と贈与税

相続税は、相続や遺贈によって取得した財産が、基礎控除額を超える場合にその超える部分に対して課税されます。この場合、申告が必要となり、その期限は、被相続人の死亡したことを知った日の翌日から10か月以内とされています。
贈与税は、個人から財産をもらったときにかかる税金です。一人の人が1月1日から12月31日までの1年間にもらった財産の合計額から基礎控除額の110万円を差し引いて残った額に対してかかります。

■贈与税と相続税

被相続人に財産があったとしても生前に贈与してしまえば、相続財産は減ることになり相続税は合法的に節税されることになります。ところが、日本では生前贈与は、贈与税の課税対象とされますので、相続税は少なくなる以上に贈与税が課税されてしまいます。このように贈与税は相続税の補完税としての役割を担います。贈与税と相続税で個人の財産が捕捉されますので、夫婦、親子間の財産の移転は、税務署に厳しくチェックされることになっています。