■会計のイメージに気をつけて
会計を行うことは、日本でも中国でも習慣化しており、皆さまがそれぞれ慣れ親しんだ会計のイメージをお持ちです。
ですので“会計”と聞くと、当然ですが自分が持っているイメージが勝手に浮かんできます。本来、“日本の会計”と“中国の会計”は違います。ですので、日本の方が中国で会計にかかわった場合、その方が“日本の会計”のイメージを持っていると、そこで行われている中国の取り引き、中国の会計に違和感を覚え、どうもシックリときません。そこでは、“中国の会計”が行われているからですが、なぜか“日本の会計”が行われていると錯覚してしまうことが多いようです。
■会計監査も日中で違う
会計監査にも同じことが言えます。“日本の会計監査”と“中国の会計監査”とを区別して説明しないと、正確には伝わらないでしょう。
中国では“会計監査”は外資企業に強制されています。年末からその準備がはじまりますが、これは中国の決算とも言えるものです。企業自身で決算書を作成する習慣はないため、その代りに会計監査報告書があると捉えることもできます。中国の会計年度は、1月1日から12月31日に統一されており、その年度が終了すると年次財務諸表を作成し、注冊会計師事務所による法定監査を受けることになります。それに続いて、連合年度検査を受けて許認可の更新を行い、また企業所得税の確定申告も行うことになります。年度検査をパスしないと、営業の継続ができなくなりますから重要な手続きになります。
このように、注冊会計師による会計監査から年末の一連の手続きがはじまると言えるのです。
■日本の決算
日本では事業年度が終了したら決算書を作成して、会計監査が必要な企業は会計監査を受けます。決算書は利害関係者への報告、税務申告などに使用します。