■交際費を巡る問題
中国では食事をしながら打ち合わせをする機会も多いのですが、この飲食代はすべて損金(交際費)で落とすことができるのでしょうか?
「その飲食代が、経営上必要な支出であり、発票があれば交際費として損金算入することが可能」です。
ただし、以下の点に留意する必要があります。
交際費損金算入の際の注意点
・交際費には限度額があります。
-全額が損金算入されるわけではありません。
・交際費/会議費に関する定義が明確になっていません。
-交際費/会議費と他の科目の区分は曖昧で、個人的経費の混合においては注意が必要です。
■交際費の損金算入限度額
中国では交際費に関して、「企業で発生した生産経営活動に関連する交際費は、発生額の60%を控除することができるが、その年度の収入金額の0.5%を超えることができない」と定められています。
■中国では会議費の定義が曖昧
一方、会議費はどうでしょう。事業に関連して得意先などと飲食する費用は、厳密に言えば交際費に該当しますが、商談や打ち合わせに伴う飲食費まで交際費とするのは実情に合いません。
そこで日本では、「会議に際して社内または通常会議を行う場所において通常供与される昼食の程度を超えない飲食物などの接待に要する費用は、交際費に含めなくてよい」と考えるのが一般的です。このように日本では、1人当たり5000円以下の飲食代は、会議費として処理するのが通常ですから、中国でも少額な飲食代は会議費として処理したいところです。
しかし、中国では現在、会議費に関する明確な規定がありません。そのため、小額であってもそのまま会議費として処理することは、問題を生む恐れがあります。
■会議費処理には会議費発票が必要
会議費として処理したい場合、必要になるのは次のようなものです。
会議費処理に必要なもの
・該当の発票発行資格を持った会社による「会議費発票」
・その会議費が実際に発生したものであることの証明
-会議時間や開催場所、出席者、内容、目的、費用基準などの記録
税務調査があった場合でも、ポイントとなるのはこれらの点と考えられます。
会議費として損金算入する場合には、上記の条件を満たしているか十分に留意をし、交際費と混同されないよう、注意を払う必要があります。