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中国出向者と出張者の税務 その2・出張者

中国出向者と出張者の税務 その2・出張者

出張ベースでの中国滞在が183日を超えると、税務上の取り扱いが変わります。
日本の所得税と中国の個人所得税はどうなるのでしょうか?
給与は全額を日本本社から支払われますが、法人税の取り扱いはどうなるでしょうか?

■出張者の中国での課税

(1)滞在日数183日以上の場合
183日を超えた翌月の15日までに、雇用されている出張先の管轄税務局にて申告納税が必要です。その際の添付書類は、給与の証明書類とパスポートです。中国に住所がなく、一納税年度の滞在日数が連続または通算183日以上1年未満の場合、中国内外から支払われた給与については申告納税しなければなりません。ただし、中国以外の国での勤務に対して支給された給与については課税されません(高級管理職は除く)。183日になることがあらかじめ分かっている時は最初の月から、分からなかった時は183日になってから、前月までの分も含めて申告納税します。

(2)183日未満の場合
中国での課税を原則としますが、次の条件のすべてを満たす場合は免除されます。
①在日数基準報酬の受給者が中国滞在日数183日未満である。
②支払者基準報酬が中国の居住者から支払われていない。
③負担基準報酬が中国の恒久的施設または固定的施設にて負担されない。

■中国出張者の日本での課税

日本居住者の出張は日本で所得税が課税されます。中国滞在が183日を超えると中国でも個人所得税が課税されることになり、二重課税となるため、調整が必要です。日本で非居住者扱いになるか、居住者扱いで外国税額控除を適用するかになると思われますが、税務署または専門家に相談されることをお勧めします。

■日本の法人税課税

子会社をサポートするために本社から出張することがあります。本社業務の必要からでない時は、給与だけでなく航空券、ホテル等も子会社で負担すべきものとなります。この経費を本社が負担した時は、子会社に対する寄付金とみなされ、本社に寄付金課税が行われます。