上海茂木咨詢有限公司

開業あれこれ

開業あれこれ

■開業準備

日本企業の海外進出はモヤの中を進むようなもので、優秀なガイドや通訳を探すことになります。、「中国人だから中国の事は何でも分かっている」と勘違いする日本人と、「知らない」「分からない」とは決して言わない中国人との取り合わせですから、多少の誤解や錯覚があっても仕方がない、と思ってよいでしょう。家賃契約から設立手続きがスタートし、内装工事、PC等備品類購入、インターネット・電話の工事などで活動拠点を作ってゆきます。従業員も採用しなければいけません。たいへん慌ただしい日々を過ごすことになります。

■帳簿作成のタイミング

中国での事業立ち上げ作業は、手続きが煩雑で、事業はスタートしていないのに時間だけが経過することもあります。払い込まれた資本金が目減りしていることに気付くと、焦りが出はじめます。このあたりが、開業費用の精算を行い、帳簿作成を開始するタイミングでもあります。会計法では、会計師資格者の採用が義務付けられていますが、資格を必要以上に気にすると混乱することになります。通常は中国人の経理担当者を置きます。設立手続きが進み税務登記をしたところで、税務局(専管員)からの接触があり、帳簿作成、税務申告の指導を受けることになります。

■開業費の会計処理と税務

2012年以前に多くの会社が採用していた企業会計制度では、開業費用は、経営開始する日まで長期前払費用に計上することになっていました。13年以降、多くの企業が「小企業会計準則」に移行しました。この会計準則によれば、開業費用は長期前払費用に計上せず、直接、管理費用の開業費科目に計上することになっています。そして、経営開始の日(一般的には発票発行)に管理費の各科目への計上を行います。国税函[2009]98号により長期前払費用(償却期間は最低3年)もしくは一括控除の選択が可能になりました。改正税法においても、開業費は明確に長期前払費用とされておらず、企業は経営開始の日を含む年度に一括して控除できることになっています。